鹿児島市立病院の増築棟予定地。敷地内の道路部分に建設される=同市上荒田町
鹿児島市立病院は12日、入札が不調となった増築棟建築工事に関して、設計見直しなどを含め今後の方針を検討すると明らかにした。同日の市議会産業観光企業委員会で説明した。再入札など具体的なスケジュールは示さなかった。
病院再整備室によると、工事は既存棟南側に6階建ての新棟を連結する計画。当初は約3年の工期で事業費は約81億円の予定だった。しかし昨年12月の入札に参加する共同企業体(JV)がなかった。
病院側は原因を把握しようと県建築協会や業者にヒアリング。その結果、県外の業者からは民間工事が2~3年先まで決まり、技術者に余裕がないとの声があった。市内の業者からは技術者不足で県外業者の参加が難しく、JVが組めないといった意見が出たという。入札の条件は3社JV(県外1社、市内2社)となっていた。
今後の進め方について同病院は「現在の設計では工事費が上がり経営を圧迫するが、再整備事業は欠かせない。設計の見直しを含め方針を検討する」と説明した。
同病院によると、入札が2度不調となり、4月以降の委託先が決まっていない医療事務業務は、現委託先との随意契約を検討している。2026年4月以降については3年間の契約を結ぶ入札に向け、16億3946万円の債務負担行為を今議会に提案している。