校長室に侵入、超過勤務命令を偽造 手当の不正受給5万円も 小学校事務職員を停職3カ月 2024年度鹿児島県の教職員懲戒、27件で過去最多に並ぶ

2025/03/14 07:00
 鹿児島県教育委員会は13日、虚偽の報告で超過勤務手当約5万円を不正に受給した鹿児島地区の小学校の事務職員男性(53)を、停職3カ月とした。無免許運転を繰り返し事故を起こした教諭と、体罰を行った教諭の懲戒処分2件も発表。本年度の処分は計27件となり、懲戒処分指針を定めた2007年度以降で最多の12年度に並んだ。

 県教委によると、事務職員は24年10~12月、超過勤務の命令と実績がないにも関わらず、17時間分の手当5万1858円を不正に受給。適正な申請と見せかけるため、過去の命令簿も不正に使用した。23年度中には校長室に侵入し、日付などが未記入の命令簿に校長の私印を押して持ち出した。今年1月末に発覚し、不正に受け取った手当は全額返還される予定。

 大隅地区の県立学校の男性教諭(52)は24年9~12月、無免許で約20回、自家乗用車を運転した上、12月29日には自損事故を起こし停職6カ月。いずれも公務外で、事故の目撃者が警察に通報して発覚した。無免許は自覚していたという。

 北薩地区の小学校の男性教諭(48)は、22年から25年1月、児童少なくとも8人に体罰を行ったとして減給3カ月(給料月額と教職調整額の10分の1)。授業中などに頭を拳や棒でたたいたり、おでこを指ではじいたりした。25年1月下旬、被害児童の1人が別の職員に報告して発覚した。

 教職員の不祥事が相次いでいることについて、教職員課の中島靖治課長は「危機的な状況」とコメント。「すべての教職員に自覚を強く求め、根絶に向けた取り組みを徹底しその実効性を高めていく」とした。

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