信頼回復へ遠い道のり…不祥事再発防止に取り組む鹿児島県警、酒気帯び警官を停職処分、スマホの不適切利用警官減給 いずれも同僚署員が気付き発覚

2025/03/15 06:00
 鹿児島県警は、鹿児島市内で酒気帯び運転をしたとして、鹿児島中央署の30代警察官を道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで鹿児島区検に書類送検し、停職3カ月の懲戒処分にしたと14日発表した。さらに、霧島署の留置施設に私物の携帯電話を持ち込みゲームをするなどしたとして、同署の40代警察官を減給100分の10(1カ月)の懲戒処分にした。2024年度の懲戒処分者は計8人になった。

 県警は「個人の特定につながる」として、2人の所属部署や階級などについて明らかにしていない。

 県警監察課によると、鹿児島中央署員の書類送検容疑は24年6月15日朝、同署から自宅に戻る際、基準値を超える酒気を帯び、オートバイを運転した疑い。書類送検は同年10月10日。区検は今月3日付で、嫌疑不十分で不起訴処分とした。

 24年6月14日、署内で開かれた所属課の慰労会で酒を飲み、帰宅中のタクシーで寝込んだ。15日午前2時10分ごろ、運転手が「客が起きない」と110番。同タクシーで署に戻された。

 同6時40分ごろ、オートバイに乗って署を出る姿が防犯カメラに映っており、別の署員が自宅に行き、呼気検査した。県警は「犯行現場を確認できておらず、証拠が不十分」として逮捕していない。本人は「アルコールが残っている認識はなかった。反省している」と供述している。

 霧島署員は24年4~10月、留置施設の禁止区域に私物の携帯電話を持ち込み、ゲームをしたり、インターネット上の動画を見たりした。時間つぶしのためだったとして「県民、組織に申し訳ない」と話している。

 電話やメールなど外部との交信や留置人との接触はなかった。同10月28日、禁止区域にあった署員のかばんから振動音がするのを同僚が気付き、発覚した。

 二つの懲戒処分を巡り、鹿児島中央署の当時の当番副責任者など9人を、当番責任者に迅速に連絡しなかったことなどを理由に、本部長訓戒などとした。当時の霧島署警務課長など2人は業務指導などとした。

 県警は不祥事が絶えないことから、同8月に再発防止策を公表している。

 牛垣誠首席監察官は14日の記者説明で「調査結果を踏まえて厳正に対処した。県民に深くおわびする。信頼を大きく損なうもので、信頼回復と再発防止に全力を尽くす」と話した。

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