「指のリハビリゲーム機」を開発した鹿児島情報高校メカトロニクス科2年の尾辻佑樹さん=鹿児島市の同校
鹿児島市の鹿児島情報高校メカトロニクス科2年の尾辻佑樹さんが、22日に東京である第2回デジタル学園祭「全国情報教育コンテスト」の最終審査会に出場する。全国の中高生がデジタル技術を活用して、暮らしや学校をより良くするアイデア、作品を競う。指を大けがした友人のために考案した「指のリハビリゲーム機」で頂点を目指す。
同コンテストは、中高生のデジタル活動を支援する一般社団法人デジタル人材共創連盟が国と連携し主催。今回は全国から153件の応募があり、最終審査会には10作品が残った。
尾辻さんの作品は、リハビリをゲーム感覚で楽しめる。ランダムに点滅するLEDライト近くの五つのボタンをタイミング良く5指で押すと得点になり、液晶画面に得点に応じて「GOOD」「KEEP UP」などの励ましの言葉を表示。満点ならファンファーレが流れる。指の機能の回復度合いに応じ、点滅速度を4段階に調節できる。
尾辻さんによると、友人は手術後半年たっても指の動きがなかなか戻らなかった。友人の笑顔が見たい一心でプログラミングに約300時間をかけ、ボタンの間隔やゲーム盤の角度を本人に確認してもらい試作を繰り返した。友人は「自分のために作ってくれてうれしい。リハビリを楽しく頑張れる」と喜んだという。
尾辻さんの将来の夢は人々の暮らしを支えるエンジニア。最終審査会のプレゼンテーションで「自分の思いを全力で伝えられたら」と意気込む。審査会の模様はユーチューブで生配信され、10作品は大阪・関西万博で7月19~21日に展示される。