米空母に突入直前…特攻機が対空砲火で真っ二つ すさまじい集中砲火、落下傘で海上降下する操縦士の姿も 大分の宇佐市塾が米軍撮影映像を公開

2025/03/23 06:00
米軍の猛烈な対空砲火で真っ二つになり墜落する海軍艦上爆撃機「彗星」と、機外に投げ出されて落下傘降下する搭乗員=1945年4月17日(豊の国宇佐市塾提供)
米軍の猛烈な対空砲火で真っ二つになり墜落する海軍艦上爆撃機「彗星」と、機外に投げ出されて落下傘降下する搭乗員=1945年4月17日(豊の国宇佐市塾提供)
 太平洋戦争中の米軍撮影映像を解析している大分県宇佐市の市民団体「豊の国宇佐市塾」(平田崇英塾頭)は22日、戦後80年最初の映像公開を同市の教覚寺で行った。公開されたのは計12本、3分56秒。うち鹿児島関係は、現在の鹿児島県霧島市国分にあった第1国分基地から出撃した特攻機が対空砲火で真っ二つになるカラー映像など4本。

 第252海軍航空隊攻撃第3飛行隊所属の園部勇上飛曹が操縦する艦上爆撃機「彗星(すいせい)」は、1945(昭和20)年4月17日早朝、第1国分基地を出撃した。沖縄東方海上で米空母ランドルフに突入直前、苛烈な対空砲火を浴びて機体が爆発。空中に投げ出された同上飛曹は着用した落下傘が開き、海上に降下。駆逐艦に収容され捕虜となった。戦後復員した。

 映像はランドルフ艦上から手持ちカメラで撮影されたもので、特攻機を待ち受けた米軍のすさまじい砲火が見て取れる。

 宇佐市塾は戦後80年の今年、複数回の映像公開を計画している。解析を行う同塾の織田祐輔さん(38)は「節目の年に、映像を通し戦争の悲惨な実相を知ってほしい」と話している。

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