サウナよりも安全に整う。しかも身体への負担も少ない? 国立大学が検証した「砂むし温泉」の健康効果。砂の重みに意味があった

2025/03/23 16:00
入浴中のデータを測定する関係者=2024年11月25日、指宿市の砂むし会館砂楽
入浴中のデータを測定する関係者=2024年11月25日、指宿市の砂むし会館砂楽
 鹿児島県指宿市は21日、砂むし温泉の健康効果について、筑波大学や鹿屋体育大学と協力して行った検証試験の成果を報告した。入浴中と前後に呼吸や心拍などを測定した結果、サウナや温浴と比較して身体への負担が少なく、比較的安全に血圧低下効果などが期待できることが分かった。

 同市の時遊館COCCOはしむれで報告会があり、筑波大学体育系の藤井直人准教授と、鹿屋体育大学スポーツ生命科学系の堀内雅弘教授が発表した。試験は昨年11、12月の計3日間、市内に住む20~40歳の健康な成人男性14人を対象に実施。砂むし温泉、温浴、サウナに別々の日に入り、それぞれ数分おきのデータを測定した。

 報告によると、砂むし温泉はサウナなどに比べ深部体温の上昇幅が少なく、血液中の二酸化炭素濃度があまり変化しない。入浴中も息苦しさや不快感を抱きにくく、脳の血流低下による失神や湯あたりのリスクが低減されることが分かった。一方で、入浴後に血圧を適度に下げる効果は同じように見られた。

 要因について藤井准教授は、砂の重みで身体が圧迫されることにより、過呼吸が起こりにくい可能性があると予想。「安全性の観点から、ほかの入浴法と比べて優れている」と指摘する。市は今回の検証結果を、スポーツ合宿誘致や湯治客の増加につなげる方針。

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