空飛ぶクロネコ 24年問題解消なるか 産地と首都圏直結、農水産物の鮮度〝売り〟に付加価値狙う ヤマトHDが貨物専用機を試験運航 鹿児島空港

2025/03/29 07:03
鹿児島空港に着陸するヤマトHDの貨物専用機=28日、霧島市
鹿児島空港に着陸するヤマトHDの貨物専用機=28日、霧島市
 宅配便大手ヤマトホールディングス(HD)は28日、霧島市の鹿児島空港で貨物専用航空機(積載量28トン)の試験運航を実施した。トラック運転手の残業時間規制強化に伴う「2024年問題」解消や県産農水産物の販路拡大による貨物需要創出につなげる狙い。荷役作業や輸出便への接続を検証し、定期運航を目指す。

 同社は24年問題を見据え、昨年4月から貨物専用機事業に参入。今年4月以降は国内6路線で1日13便を定期運航する。同日は、鹿児島空港から成田空港(千葉県)まで県産牛肉や水など貨物2トンを運んだ。一部は香港やベトナム、米国などへ輸出する。

 ヤマト運輸によると、試験運航は鹿児島が全国3例目。農水産物の生産量がトップクラスである一方、大消費地から遠いことから、スピード輸送による鮮度維持で付加価値が高められる航空輸送と相性が良いと判断。空港に貨物専用機対応の特殊車両がそろう点も踏まえた。

 航空輸送で鹿児島-成田間はトラック輸送より1〜2日短縮できる。同社執行役員九州統括の稲森浩司さん(54)は「トラックの長距離輸送が厳しくなる中、航空輸送は一つの解決策。魅力的な鹿児島県産品の販路拡大にも貢献したい」と話した。

鹿児島のニュース(最新15件) >

日間ランキング >