あれ?同郷の人、誰もいない…高校進学で直面する不安の解消に小中一貫校の卒業生が交流会を企画 「頼っていいんだよ」

2025/03/31 06:30
高校に新入学する7人(2列目)との交流会を企画した高校新3年生(前列)=南さつま市の坊津学園体育館
高校に新入学する7人(2列目)との交流会を企画した高校新3年生(前列)=南さつま市の坊津学園体育館
 鹿児島県南さつま市の坊津学園卒業生で、新学期から高校3年生となる7人が「高校生部会・チーム坊津」を結成し、今春高校に進学する後輩8人らとのソフトバレー交流会を同学園で初めて開いた。保護者らを含め計約50人が参加。各高校にいる坊津出身の先輩と入学前に親交を深めることで、少人数で各校に散らばっていく後輩たちの不安を少しでも解消できればと考えた。

 坊津地区のほとんどの子どもは、小中一貫の坊津学園に通い9年間一緒に過ごす。1学年10人前後で、保育園も含めると10年以上の濃い付き合いになる。ところが、高校になると、同市加世田をはじめ、鹿児島市や枕崎市などの学校へそれぞれ進学。坊津出身者が1人の学校もあるという。

 地元の鳳凰高校新3年の松元法香さんらは、昨年12月にチームを発足させ、後輩が安心して学校に通えるための活動を模索。「できる人ができることをやる」をモットーに、主にオンラインで話し合ってきた。

 交流会は15日夜にあり、学年別や保護者、自由参加など6チームに分かれ対戦。高校別対抗戦もあり、合間には先輩が通学手段やテスト、部活などの相談に応じる姿もあった。

 企画した松元さんは「先輩たちを頼りにしてほしい。坊津出身者はいつもつながっていると感じてもらえれば」。枕崎高校新3年の茅野真幸さんは「地元に帰れば仲間もいる。新しい環境で今をいっぱい楽しんで」とエールを贈った。

 川辺高校に進学する中野琉生さんは「先輩や同級生と会う機会が少なくうれしかった」。鳳凰高校に進む清川心蘭さんは「先輩といい時間を過ごせた。いろいろ聞くことができ安心して通えそう」と喜んだ。

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