恐竜博物館4月オープン、新造フェリー就航…明るい話題相次ぐ離島・甑島 島民も長らく途絶えた伝統踊りを復活させて祝福 薩摩川内市

2025/03/30 11:00
就航した新フェリーを前に武者踊りを披露する保存会員ら=薩摩川内市の里港(里地区コミュニティ協議会提供)
就航した新フェリーを前に武者踊りを披露する保存会員ら=薩摩川内市の里港(里地区コミュニティ協議会提供)
 鹿児島県薩摩川内市の甑島で博物館完成と新フェリー就航を祝い、地元住民らが伝統の踊りを相次いで披露した。

 下甑島の鹿島地区に伝わる習わし「タルナイ」は23日、4月オープンの博物館「甑ミュージアム」完成を祝って16年ぶりに披露された。住民たちが仮装して踊り、見物人を楽しませた。

 新築家屋の上棟式などで昔から見られたが、新築が減った最近は目にする機会もなかったという。この日は、女性や小学生ら約40人が恐竜の着ぐるみを着たり、大漁旗を振ったりして登場。着物の女性が田中良二市長に酒を献杯した後、三味線や太鼓の音が響く中で自由に踊り、見物人も飛び入りして盛り上げた。

 鹿島地域に暮らす橋野香津子さん(74)は「母も踊っていたと懐かしく感じた。空き家が増えたが、久しぶりににぎやかだった」と喜んだ。

 甑島といちき串木野市を結ぶ新造フェリー「結Lineこしき」が就航した20日には、寄港した里港で、地元里地区に伝わる武者踊りを保存会が披露した。

 建物の落成時や大きな行事の際に古くから踊られていて、今回は2015年の国民文化祭以来、約9年ぶり。中学3年生を含め初めてのメンバーも加わり、1月から練習を重ねてきた。

 串木野新港からのフェリーが到着した岸壁に、よろいかぶと姿の武者3人と鉦(かね)や太鼓、踊り手など計25人ほどが登場。音に合わせた勇壮な踊りを、船上や陸上から多くの人が見守った。保存会の早瀬清会長(75)は「島の宝。今後も存続したいと、全員が思っているのがうれしい」と話した。

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