それじゃ魚は増えない…川で取ったオイカワ、数十メートル先に放流 広瀬川漁協に県が初の「増殖命令」 鉄道役員らを長時間批判でも混乱

2025/04/04 06:30
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 鹿児島県が広瀬川漁業協同組合(出水市)に対して、魚の増殖につながらない放流をしているとして、稚魚の放流などを求める増殖命令を出していたことが3日、分かった。県が命令を出すのは初めて。

 県によると、漁協は出水市の米之津川で漁業権があり、漁業法に基づき魚を増やす義務がある。

 漁協は2017〜23年度、米之津川で取ったオイカワを、数十メートルほどしか離れていない所に放流していた。漁協はオイカワを年間5キロ増殖する目標を定めていたが、学識経験者らでつくる県内水面漁場管理委員会が「増殖につながると判断しがたい」と指摘した。

 命令は3月28日付。12月末を期限に、オイカワ10キロの放流と、4カ所以上に計16平方メートルの産卵場の造成も求めた。漁業法では、命令による計画を達成しなかった場合、県が漁業権を取り消すことになっている。

 漁協の内木場司組合長は「理事会に諮って、対応していきたい」と話した。

 漁協を巡っては、理事が肥薩おれんじ鉄道役員らを長時間批判したなどとして、出水市の椎木伸一市長が今年2月、地方自治法に基づく「総合調整権」を行使。組織の改善策を提出するよう命じているが、漁協は「事実確認をしたい」として、市、おれんじ鉄道との協議の場を設定するよう求めている。

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