台風でバキッ…折れた枝は、直径1.3m! 樹下の古墳も陥没させた。被害2年半、樹齢1200年超す塚崎の大クスは復活した 肝付町

2025/04/06 06:27
枝が折れ、復旧作業が進められる大クス=2023年5月(肝付町教育委員会提供)
枝が折れ、復旧作業が進められる大クス=2023年5月(肝付町教育委員会提供)
 2022年9月の台風14号で枝が折れた国指定天然記念物「塚崎の大クス」(鹿児島県肝付町野崎)の災害復旧事業が完了した。枝が当たって損傷した大クスの根元にある国指定史跡の塚崎古墳群1号墳の復旧と、付近の遊歩道や駐車場の整備も3月までに終えた。一帯は生まれ変わった姿で見学客を迎えている。

 肝付町教育委員会によると、大クスは樹齢1200~1300年とされ、折れた枝は直径約1.3メートル、長さ約20メートル。クスを囲む遊歩道が破損したほか、枝を撤去した際に1号墳の陥没も確認された。

 町教委は枝の撤去や大クスの補強・再生、古墳の調査・復旧などを22~24年度に実施した。折れた枝の一部は町が保管し、なんこ玉やベンチに加工して利用することを検討しているという。

 合わせて観光促進のために周辺整備も進めた。駐車場は大型バス用のスペースを設け、トイレも新設。場内のあずまや近くに立てた看板では、大崎町の横瀬古墳や東串良町の唐仁古墳群も挙げて「日本最南端の古墳群巡り」と銘打つ見学ルートを紹介している。

 肝付町教委生涯学習課の清田祥之さん(27)は「国指定史跡の古墳の上に天然記念物のクスが生えている貴重な名所。生まれ変わった姿を多くの人にぜひ見に来てほしい」と話した。

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