備蓄米 JA系列店だけ?…ようやく県内も10日から販売 「いつになれば安く」「入荷見通しない」コメ高騰 収束見えず

2025/04/10 06:00
米売り場は、売れ筋の5キロを中心に品切れが目立つ=9日、鹿児島市のAコープ桜ケ丘店
米売り場は、売れ筋の5キロを中心に品切れが目立つ=9日、鹿児島市のAコープ桜ケ丘店
 コメ価格高騰を受け放出された政府の備蓄米の販売が、鹿児島県内の小売店でも10日から順次始まる。「備蓄米」とは表示せず、県産米を混ぜた「ブレンド米」などとして店頭に並ぶ予定。全国では3月下旬から出回り始めたが、店頭価格は高止まりが続き、県民からは「値が下がるのはいつになるのやら」と疑問の声も漏れる。

 9日夕、鹿児島市のAコープ桜ケ丘店の米売り場は、がらんとしていた。毎週水曜日に100〜150袋(5キロ)を入荷。昨秋からは1家族1点の購入制限を設けてきたが、連日午後には売り切れるという。

 備蓄米について、Aコープでは県内全71店舗で配送され次第販売する。桜ケ丘店では10日、350袋を開店と同時に販売。14日にはブレンド米300袋ほどを仕入れる予定だ。同店の前野研二店長(47)は「販売したいのに、モノがないのは心苦しい。今後は安定的に届けたい」と意気込む。

 昨夏にコメの流通量が激減した「令和の米騒動」以降、コメ価格は上昇し続ける。同市桜ケ丘4丁目のパート磯口恵美子さん(80)は「1人暮らしなので、2キロやパックご飯を買っている。備蓄米が出回ってくれれば、こちらも安くなるのに」と待ち望んだ。

 JA県経済連は、全国農業協同組合連合会(JA全農)を通じ、1回目の入札で約2000トンを確保した。米穀卸販売の鹿児島パールライス(同市)で精米し、Aコープなどの系列店で5キロ当たり3500円程度での販売を想定する。3月下旬実施の2回目では、約千トンの確保を目指していた。

 一方、備蓄米が入荷しない県内スーパーからは冷ややかな反応も。鹿児島市の50代男性店長は「JA系列ではない県内店舗は入荷の見通しがたたない。備蓄米に頼れないので、在庫でなんとかするしかない」とぼやく。

 この店舗では、前年比2倍以上の5キロ当たり4500円程度で販売。売上高は倍増したものの、仕入れ値も上がっており利益は例年並みにとどまる。「備蓄米が出回り、相場が落ち着くのを待つしかない」

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