離島の山林火災、出火原因とみられる業者に損賠請求…応援出動の消防車フェリー運搬、出動手当など 補償で村と合意 三島村硫黄島

2025/04/11 06:00
1月に発生した三島村硫黄島の火災現場=同村提供
1月に発生した三島村硫黄島の火災現場=同村提供
 鹿児島県三島村硫黄島で1月に発生した山林火災について、同村が10日、出火原因になったとみられる橋補修工事の請負業者(鹿児島市)に、消防団員の出動手当など損害額294万円4657円を請求したことが分かった。同社も責任を認め損害を補償することで村と合意している。焼損したガードパイプも同社が原状回復する。

 同村によると、内訳は島内の消防団員12人の出動手当82万8000円、緊急派遣した村職員の旅費など116万5156円、県内4市から応援出動した消防車8台のフェリー運搬費54万9600円など。村は2024年度予算の一般財源からこれらの経費を支出しており、業者側が支払えば収入として受け入れる。

 火災は1月19日、硫黄島の南西部の岬で発生し、周辺の竹やぶなど約6万3000平方メートルを焼失。橋補修工事中に業者がボルト交換のため、ガスバーナーなどでさびた部分を切断する際、火の粉が橋下の枯れ葉や竹に引火したとみられる。

 業者は火災防止のため周囲を防炎シートなどで覆い、消火器や水も備えていたが、村は火災を受けて、安全対策の見直しと改善策を指導。業者は消火器を増やすなどして3月に工事を終了した。同村の田中博文総務課長は「山林火災は鎮火が難しい。二度とこういうことがないようにしたい」と話した。

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