「馬毛島でする」はずのF35B垂直着陸訓練、工期延長で防衛省が方針翻す 基地の町の住民憤り「なぜ新田原に犠牲強いるのか」

2025/04/11 07:00
F35Bの訓練について防衛省が開いた住民説明会=10日午後7時半すぎ、宮崎県新富町
F35Bの訓練について防衛省が開いた住民説明会=10日午後7時半すぎ、宮崎県新富町
 防衛省が従来の方針を一転させ、宮崎県新富町の航空自衛隊新田原基地でF35Bステルス戦闘機の垂直着陸訓練を行う方針を示したことを巡り、10日夜、同省による住民説明会が始まった。騒音の負担が増すことに対し住民は「なぜ新田原に犠牲を強いるのか」と疑問や反発の声を上げた。

 同省は、2025年度から新田原基地に配備を予定するF35Bの垂直着陸訓練について、緊急時などを除き新田原では実施せず、基地建設中の西之表市馬毛島で行うと説明していた。だが馬毛島の工期延長を受け2月、夜間も含めて訓練し、馬毛島の基地完成後も一部を新田原で続ける方針に転換した。

 新富町であった説明会には町民約30人が参加した。同省防衛計画課の下幸蔵企画官は、29年度は新田原で月平均約100回の垂直着陸訓練を行い、うち約40回は夜間になると説明。騒音を感じる時間は、通常着陸が24秒となるのに対し、垂直着陸では2分に伸びるとした。会場からは「馬毛島の完成まで訓練を待てないのか」「2分は長すぎる」などの声が上がった。

 参加した地元農家の本部博義さん(76)は「実際にテスト飛行をしてみなければ、判断できない。今以上に騒音がひどくならないでほしい」と話した。説明会は西都市を含め計7回開かれる予定。

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