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今年に入り、鹿児島県内で住宅メーカーの倒産が相次いだ。長引く資材高に人手不足、日銀の追加利上げによる金利上昇と、住宅業界は「三重苦」に直面する。影響は消費者にも広がっている。
「信じて任せたのに」-。今年に入り倒産した住宅メーカーと契約していた南さつま市の会社員男性(33)は悔しさをにじませる。
着工予定は1月だった。担当者から「年明けだと資材価格が上がる。急ぎ入金を」と促され、上棟後に支払う中間金を含む計1320万円を入金した。疑問はあったものの、「物価高でもあり信じてしまった」。
年明け以降、社長が姿を見せなくなったと聞き、元々顔見知りだった同社の部長らに問い合わせた。「会社に何かあってもどうにかする」と説得され解約できなかった。その5日後、同社は事業を停止した。
「諦めようと思ったけれど、借金だけ残るのは悲しい」と追加融資を受け、当初より小規模ながら新居の見通しはたった。同社の受注残は数十件あり、引き継ぎ業者が見つからない人もいると聞いた。
住宅メーカーの倒産リスクなどに備える制度はあるが、全ての業者が取り扱うわけではない。一生に一度の買い物といわれるマイホーム。男性は「万が一の時に消費者を守る環境であってほしい」と話した。
鹿児島県住宅・建築総合センターは業者選びや見積もりの見方のポイントなどをアドバイスする。問い合わせは=099(224)4539。