都城市で野生イノシシが豚熱感染 宮崎県が対策本部、知事「養豚盛んな地域。農場侵入許さない」

2025/04/12 06:27
宮崎県豚熱対策本部会議終了後、「強い緊張感を持って対応する」と語る河野俊嗣知事=11日、同県庁
宮崎県豚熱対策本部会議終了後、「強い緊張感を持って対応する」と語る河野俊嗣知事=11日、同県庁
 宮崎県は11日、都城市内で死んで見つかった野生イノシシ1頭が、豚熱(CSF)に感染していたと発表した。26年ぶりに国内感染が確認された2018年以降、県内では初めて。発見場所から半径10キロ圏を「感染確認区域」に設定した。同区域では97戸が計17万4000頭を飼養するが、鹿児島県内は含まれないという。

 宮崎県によると、9日、都城市の用水路で死んでいる体長50センチ、体重20キロの雄の幼獣を住民が発見した。都城家畜保健衛生所のPCR検査は陽性で、国の検査で11日夜、確定した。県内の養豚は全てワクチン接種済みのため、移動・搬出制限区域は設定しない。

 県は12日に予定する現地調査で、野生イノシシの生息状況や地形について専門家や猟友会から助言を受けた上で、豚熱経口ワクチンの散布範囲を決めて、早急に散布したい考え。同区域を中心に野生イノシシの捕獲を強化し、捕獲イノシシや死骸のPCR検査を少なくとも28日間実施する。

 豚熱は人にはうつらず、仮に感染した豚の肉や内臓を食べても影響はない。一方で、豚やイノシシへの感染力は強く致死率も高い。

 11日夕、県庁であった豚熱対策本部会議で河野俊嗣知事は、国内随一の養豚産地・都城での感染確認に、「農場での発生や拡大を何としても防いでいかねばならない。強い緊張感を持って対応していく」と述べた。

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