奈良で中高生6人が搬送される事故発生…落雷からどう身を守る? 目視での予測は困難、気象のプロは「ナウキャスト」活用を勧める

2025/04/12 11:39
 奈良市の学校のグラウンドに10日落雷があり、中高生6人が搬送された。雷から身をどう守ればいいのか。気象庁や文部科学省は、積乱雲への警戒や地図上で落雷の恐れを示す「雷ナウキャスト」の活用、雷鳴が聞こえた際の迅速な避難を呼びかけている。

 文科省は11日、「厚い黒雲が頭上に見えた際は、雷雲の接近に注意」などの留意点を盛り込んだ事故防止の依頼文を全国の都道府県教委に送付した。鹿児島県教育委員会などは各市町村教委と県立学校、私立学校に注意喚起した。

 県内の全公立学校は、文科省の手引に沿って、落雷事故を含めた危機管理マニュアルを作成している。県教委の山元尚史保健体育課長は「速やかに活動を中止し、安全な場所に避難するなど、児童生徒の安全確保を最優先事項にしてほしい」と訴える。

 宮崎県では昨年4月、サッカーの練習試合中に落雷があり、高校生18人が搬送された。鹿児島市の公立中サッカー部の男性顧問(41)は「宮崎の事故で現場の危機意識は高まった」と話す。今年2月の県大会は雷鳴が1回聞こえた時点で避難。大雨が続いたため、試合は順延させた。日頃から警報・注意報を確認しているが、「小雨でも落雷の可能性があり、予測できない」と不安を口にする。

 ある私立中は、落雷の対策マニュアルを独自に作成。サッカー部の男性顧問(25)は「雲行きを随時目視で確認し、先んじた対応を心がけている」と話した。

 10日は西日本全域で大気の状態が不安定となり、鹿児島地方気象台は県内でも落雷や急な強い雨に注意するよう情報を出した。日置市東市来では131.5ミリの24時間降水量を観測した。

 気象庁の統計によると、雷の発生日数は鹿児島市の平年値で年間27.4日。7月の5.4日がピークで、6~9月に多い。同気象台は「積乱雲が急速に発達した場合は、落雷や突風に関する気象情報が間に合わない場合がある」と説明。気象庁が公開する「雷ナウキャスト」で最新の情報を確認するよう勧める。1時間先までの雷の可能性や激しさを10分ごとに地図上で予想し、携帯端末で確認できる。

 同気象台の津波古悟主任予報官は「屋外で黒い雲の接近や雷の音に気付いたら、頑丈な建物に迷わず避難してほしい」と強調した。

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