高齢女性殺害から3年 人けの少ない山間部、今も規制線は張られたまま…「この先どうなるのか」周辺住民の不安は根強い

2025/04/12 15:00
規制線が張られた女性宅=11日午前10時ごろ、鹿屋市永小原町
規制線が張られた女性宅=11日午前10時ごろ、鹿屋市永小原町
 鹿児島県鹿屋市永小原町の無職女性=当時(86)=が殺害され、近くの山林で見つかった事件は、13日で3年が経過する。県警捜査本部(本部長・鶴田忍刑事部長)は延べ約3万3000人の捜査員を投入した上で「捜査項目を着実に進めている」と説明する。一方で地元住民の間には「いつの間にか3年がたった」「この先どうなるのか」と不安感が根強い。

 遺体は2022年4月13日夕、自宅近くの山林で、高さ約6メートルの地点から落下したとみられる状態で発見された。司法解剖で死因が外傷性ショックと分かったことなどから発見2日後に殺人・死体遺棄事件と断定、捜査本部が設置された。

 現場は鹿屋市役所から南西に約8.5キロ離れた山間部。周辺は民家が数軒点在する程度で、日中でも人けは少ない。間もなく3年がたつ11日も自宅周辺は規制線が張られたままだった。地元住民の一人は「今の時期は山菜を採りに来る人や猟師、茶農家がたまに通るくらいだ」と明かす。現場近くの男性は「事件後は自宅の鍵をかけている。警察車両は年に数回見かける程度に減った」と心配した。

 県警本部と鹿屋署は同日、オンライン形式で非公開の捜査検討会を開いた。県警によると、幹部や担当捜査員ら19人が参加し、捜査方針などを共有した。1年前は20~30人態勢としていたが、現在は7人程度に縮小。現場周辺の警戒活動は続けているという。

 県警は「捜査に支障がある」として、自宅と遺体発見場所の位置関係や凶器の有無など詳しい情報を明らかにしていない。関与が疑われる人物の洗い出しを進めるなど、慎重に捜査しているとみられる。

 鶴田捜査本部長は「解決には至っていないが、被害者や遺族の無念を晴らし、住民の不安解消のためにも、引き続き犯人摘発に向けて着実に捜査を進める」とコメントを出した。

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