着陸態勢に入る陸上自衛隊のV22オスプレイ=16日、鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地
陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県)のV22オスプレイが16日、鹿児島県鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地に飛来した。長崎県の大村航空基地との間で実施する空中機動訓練の一環で、離着陸などを確認した。陸自オスプレイが鹿屋基地で訓練するのは初めて。
同日午後3時45分ごろ、オスプレイ1機が東側から進入し、プロペラを上に向けた垂直着陸モードで鹿屋基地に着陸。30秒弱で離陸し、プロペラを前方に傾ける固定翼機モードで西へ飛び立ち、大村基地へ戻った。部隊や物資の輸送を想定した空中機動訓練は15日の予定だったが、天候不良で延期となっていた。
防衛省は15日、7月9日に佐賀駐屯地を開設し、オスプレイを運用する部隊を木更津から移駐させると発表。全17機の移駐完了は8月中旬となる見込みで、離島防衛の要と位置づける相浦駐屯地(長崎県)の水陸機動団との一体的な運用を図る。2月に示した運用計画によると、佐賀空港には年間最大約4640回離着陸する。
離着陸に滑走路が必要ない回転翼機の特徴と、固定翼機の速度を併せ持つオスプレイの配備は、部隊や物資を南西諸島へ迅速に展開する狙いがある。訓練について同省は、鹿屋をはじめさまざまな場所で飛行、離着陸し、操縦士が慣れておく必要があるとしている。
一方、オスプレイを巡っては事故やトラブルが続く。2023年11月には米軍機が屋久島沖で墜落し全搭乗員8人が死亡、24年11月には奄美空港に相次ぎ緊急着陸した。陸自のV22は24年10月、エンジンの油圧系統の不具合を知らせる注意灯が点灯したため、鹿屋基地へ緊急着陸している。