「この年でも、自分を変えられるはず」…勇気を出して夜間中学で学び直す、71歳女性の後悔と覚悟

2025/04/17 16:59
学校生活を心待ちにする西村美出子さん=鹿児島市のいろは中学校
学校生活を心待ちにする西村美出子さん=鹿児島市のいろは中学校
 鹿児島初となる夜間中学の県立いろは中学校は18日、同校が入る鹿児島市の開陽高校で入学式を開く。1期生となる予定の20人は、不登校や引きこもり、家庭の事情など、さまざまな理由で義務教育を十分に受けられず、学び直す決心をした。「青春を味わいたい」と、いよいよ始まる学校生活を心待ちにしている。

 「この年でも、学べば自分を変えられるはず」。鹿児島市の西村美出子さん(71)は、勇気を振り絞って入学願書を出した。

 中学2年の時、友人関係や外見に悩み、教室で一人、ぽつんと過ごすことが増えた。次第に学校に通えなくなり、外出するのも怖くなって引きこもるように。父親は幼い頃に病死しており、働きづめだった母親に心配をかけたことへの悔いが残る。

 中学を卒業はしたものの、思うように学べなかった。家を出て働くようになってからも、つまずくことが多かった。「言葉の使い方やコミュニケーションの仕方など、何から何まで分からず難儀した。ばかにされたり、いじめられたりしたこともあった」。暴力を振るう夫から逃れ、3人の娘を育て上げた。それでも、「学力が足りない」ことへのコンプレックスは消えなかった。

 いろは中へは、バスやJRを乗り継いでの通学。便数が少ないため往復4時間ほどかかるが、不安はない。「少しでも賢くなって世の中の役に立ちたい。仲間とワイワイするのも楽しみ」と期待を寄せる。

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