申し入れ書を読み上げる立憲民主党鹿児島県連の柳誠子代表=17日、鹿児島県庁
陸上自衛隊は17日、鹿児島県喜界町で自由降下訓練を行った。輸送ヘリコプターCH47から第1空挺(くうてい)団(千葉県)の26人がパラシュートを使って町有の牧草地に降り立った。「生地(せいち)」と呼ばれる訓練場以外での訓練は異例とされたが、近年県内離島で相次いでいる。
空挺団によると、自由降下訓練は14日から始まった。同日は輸送機C130から16人、16日はCH47から50人が牧草地に降下した。15日は天候不良などの影響で降下訓練の代わりに隊員約30人が島内外周道で約5キロの行進訓練をした。
空挺団によると、喜界島での訓練は3年連続。訓練場と異なる離島特有の地形と気象条件の下、訓練を重ね隊員の技能と経験を向上させる目的。自由降下訓練は18、19日にも予定している。
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立憲民主党鹿児島県連は17日、喜界町の牧草地(町有地)で14日に始まった陸上自衛隊第1空挺団(千葉県)の降下訓練について、国に対し、より詳細な情報開示などを求めるよう鹿児島県に申し入れた。
申し入れ書は塩田康一知事宛て。国による情報提供について「時期が訓練直前で日程や内容が曖昧」と指摘。自衛隊や米軍の施設ではない「生地」での訓練が県内で激増し、サトウキビ畑などへの被害も想定されるとして「受け入れを安易に認めないこと」などと訴えた。
県連の柳誠子代表らが県庁で山本秀則危機管理課長に手渡した。柳代表は「住民は事前に訓練の内容を理解できず、不安の声を上げられない」と話した。