いきいきと学び、今悩む若者の背中押したい…県内初・夜間いろは中学で入学式 10~80代の19人、学び直しへ決意 鹿児島市

2025/04/19 07:03
塩田康一鹿児島県知事から校旗を受け取り披露するいろは中学校の加藤淳一校長=18日、鹿児島市西谷山1丁目の同校
塩田康一鹿児島県知事から校旗を受け取り披露するいろは中学校の加藤淳一校長=18日、鹿児島市西谷山1丁目の同校
 鹿児島初の夜間中学「県立いろは中学校」の入学式と開校記念式典が18日、同校が入る鹿児島市の開陽高校で開かれた。10〜80代の1期生が肩を並べ、校歌を合唱。家族や教職員らが見守る中、学び直しへの決意を新たにした。

 式典では、月や星でデザインされた校章入りの校旗が、塩田康一知事から加藤淳一校長へ手渡された。

 県議会議員ら約130人を前に、生徒を代表して西村美出子さん(71)が登壇。不登校で十分に学べなかった中学時代に触れ「今悩み、困っている皆さんに、私たちがいきいきと学ぶ姿を知ってもらい、背中を押せるよう頑張る」と語った。

 入学式では、生徒一人一人の名前が読み上げられた。加藤校長は式辞で「学びたいという強い思いを抱き、自らの意志で入学された高い志に尊敬の念を抱く。胸を張り、誇りを持って学校生活を過ごして」と激励した。

 誓いの言葉に立った木山康成さん(65)は、幼少期に父親を亡くし、子どもの頃から家計を支えるため働かざるを得なかったと回顧。「学校生活が楽しみで仕方がない。たくさんのことを学びたい」と述べた。

 初披露となった校歌は、西世紀さん作詞、伊地知元子さん作曲。式典に向け、教職員は毎朝練習を重ねた。疋田雄輔教頭は「生徒の心に響いてほしいと願い歌った」と涙をぬぐった。授業は21日から始まる。1年生16人、2年生3人の計2クラスで、平日夜に4校時まで学ぶ。

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