5年前の豪雨で不通続くJR肥薩「山線」 復旧へ沿線3県が協議合意 鹿児島の塩田知事「観光路線として価値ある資産」

2025/04/19 11:00
〈資料写真〉2024年4月29日、4年近く不通が続き雑草が覆い尽くす肥薩線の線路(手前)。すぐ先には吉松駅を出発したばかりの吉都線の列車が走っていた=湧水町
〈資料写真〉2024年4月29日、4年近く不通が続き雑草が覆い尽くす肥薩線の線路(手前)。すぐ先には吉松駅を出発したばかりの吉都線の列車が走っていた=湧水町
 2020年7月の豪雨災害で被災し、復旧見通しが立っていないJR肥薩線の「山線」と呼ばれる人吉(熊本県)-吉松(鹿児島県湧水町)間について、塩田康一知事は18日、熊本県の木村敬知事からの鉄道復旧に向けた協議の呼びかけに応じたことを明らかにした。塩田知事は「山線そのものが価値ある資産」と述べ、今後協議入りする意向を示した。

 八代(熊本県)-人吉間の通称「川線」は、木村知事とJR九州の古宮洋二社長が今月1日、33年度ごろの再開を目指すことで最終合意書を取り交わした。その際、木村知事は、塩田知事と宮崎県の河野俊嗣知事に事務レベルでの協議開始を呼びかけていた。3知事とも「鉄路復旧」の考えで一致している。

 川線は再開後、鉄道施設は県や沿線自治体が保有・管理する「上下分離方式」が採用される。塩田知事は18日の定例会見で「山線は観光路線。川線との性質の違いも踏まえ意見を重ねたい」と述べた。「復旧には利用者確保が課題」としつつ、協議日程や内容については「決まったものは何もない」と話した。

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