会見で質問に答える塩田康一知事=18日、県庁
鹿児島県の塩田康一知事は18日の定例会見で、鹿児島港本港区で計画する新総合体育館事業を巡り、早期の補正予算案への計上を目指す設計費約9億円について「一定の根拠のある数字ではないかと思っている」と述べ、妥当な金額との認識を示した。予算計上の時期に関しては「まだいつと決まっていない。できるだけ早くと思っている」と述べるにとどめた。
建設費の圧縮に向け当初より客席数を削減するかは「検討中」とし、「設計費を予算計上するまでには決める」と答えた。
新体育館は整備・運営までを含む事業費が、労務費や建設費の高騰、金利上昇などで基本構想の約2倍にあたる488億円に膨らんだ。県はメインアリーナの固定席を千席減らしコスト削減する方針を説明していた。
県議会3月定例会では座席数の削減によって経済効果や来場者数が減少することへの懸念が上がった。塩田知事は「コンサートやイベント誘致には影響がないと聞いている」とした。
事業費の大幅増により県民意見が割れているのを受け、改めて整備の是非を聞くアンケートの実施などの考えを問われると「基本構想を大きく変更するのではなく、財政運営についてどうするかという議論だ」と否定的だった。新体育館の必要性や意義については「皆さんの理解はいただけていると思う」と語った。