同居する妻の首を絞め殺害したとして、殺人の罪に問われた阿久根市大川、無職被告男(78)の裁判員裁判論告求刑公判が21日、鹿児島地裁(小泉満理子裁判長)であり、検察側は懲役6年を求刑した。判決は25日。
検察側は、妻=当時(75)=は足腰のリハビリに取り組むなど懸命に生きていたと指摘。介護疲れがあったとしても「周囲に相談できる環境だった中、強固な殺意に基づく犯行で強い非難に値する」と論告した。
弁護側は「短期間で食事や夜のトイレ移動の介助が増え、激しい精神的動揺が生まれた」と主張。「犯行に計画性はなく、心から反省しており、親族の監督が期待できる。社会で現実と向き合い過ごすべき」と執行猶予付き判決を求めた。
起訴状などによると、被告は2024年8月27日午後9時半から10時40分ごろまでの間、同市の自宅で妻の首を両手で絞め付け、窒息死させたとされる。