漁協理事からの同意が得られず、補修工事に着手できないままの広瀬川橋梁。建設から100年以上が経過している=18日、出水市
鹿児島県出水市の椎木伸一市長は23日までに、組織改善を求め「総合調整権」を行使した広瀬川漁業協同組合に対し、損害賠償請求を視野に弁護士と調整していると明らかにした。
22日の市議会全員協議会で報告し「真摯(しんし)に向き合う姿勢が見受けられない。厳正に対応していかざるを得ないと考えている」と述べた。
米之津川の漁業権を持つ漁協については、肥薩おれんじ鉄道の鉄橋補修を巡り、男性理事が同社役員らを長時間批判したなどとして、椎木市長が2月、地方自治法に基づく総合調整権を行使。組織改善策を出すよう求めているが提出されていない。
魚の増殖につながらない放流をしているとし、県が漁協にオイカワの増殖命令を出したのを受け「(放流事業など)市の単独補助金の返還請求についても協議を進めている」とした。
漁協の内木場司組合長は取材に「詳しい内容が分からないのでコメントできない」と答えた。
全員協議会で市は、漁協が川の工事の受注業者らに協力金を求める規定を3月23日の通常総代会で制定し、3週間後の臨時総代会で廃止にしたことも説明した。