鹿児島県内で最多の新入生が入学した鹿児島大学の入学式=4月7日、鹿児島市の県体育館
大学で学んでほしいこととは-。鹿児島県内6大学・大学院は今春、計4400人余りの入学者を迎え、それぞれ入学式を行った。各学長は学生に何を期待するのか。式辞・告辞を、ユーザーローカル社(東京)のAIテキストマイニングを使って解析すると、「課題」「個性」「考える」といった言葉が浮かび上がった。
3大学の学長が強調したのが、課題解決力の重要性だった。
1日就任した鹿児島大(鹿児島市)の井戸章雄学長は「大学では、答えのある課題をいかに上手に解くかを競うような学びはない」と指摘。「課題を見いだす力を養い、新しい社会や世界の在り方を考え、課題を解決する何かを創り出す力を養って」と激励した。
鹿屋体育大(鹿屋市)の金久博昭学長も「自ら課題を立て、解決策を探索する力、立案したプランを実践する力を鍛えるところ」が大学だと解説。情報通信技術の進歩や生成人工知能(AI)の登場に触れ、情報をうのみにすることへの注意を促した。
鹿児島純心大(薩摩川内市)の山口明美学長は、学生とは「何を学ぶべきか主体的に考える存在」とし、「書物に書かれていることや教師の言うことをうのみにせず、批判的に吟味し、自分の頭で考えて」とエールを送った。
キャンパスライフの中で「個性」を伸ばす大切さも説かれた。どうすれば身につくのか提言したのは、鹿児島国際大(鹿児島市)の小林潤司学長。「個性豊かな人たちと交わる中で、個性は磨かれる」と言い、多様な仲間や教員と触れ合うようアドバイスした。
建学の精神に「個性の伸展による人生練磨」を掲げる第一工科大(霧島市)。都築明寿香学長は「学びや経験を通して、少しずつ磨かれていく専門性や才能」が個性とし、「自分にしかない視点や感性を専門性と結びつけ、学びを通して大きく育って」と語った。
志學館大(鹿児島市)の飯干紀代子学長は「キャンパスは学ぶ場所。人と人が出会って、互いに刺激し合い、化学反応を起こし、知恵を蓄える場所」と強調した。