鹿児島県は24日、14~20日の「百日ぜき」の感染者が前週より34人増え、64人だったと発表した。患者の全数把握が始まった2018年以降、1週間当たりの報告数としては最多。県は基本的な感染対策を呼び掛けている。
県感染症対策課によると、内訳は10~14歳が最も多く41人。5~9歳18人、0歳2人、1~4歳と15~19歳、35~39歳が各1人だった。今年の累計は165人となり、24年の約24倍に上っている。
県内報告数は19年に728人だったが、新型コロナウイルス禍で激減。21年以降は10人以下となり、全国で増加傾向に転じた24年も、7人にとどまった。
百日ぜきは百日ぜき菌が原因で、飛沫(ひまつ)感染する。風邪の症状が出て、せきが激しくなる。乳児は重症化しやすく、特に新生児は無呼吸になって死に至ることもある。治療には抗菌薬やせき止め薬が使われ、予防には5種混合ワクチンが有効とされる。
同課は「子どもの感染が増えている。ワクチン接種やせきエチケット、手洗いなどを心がけてほしい」としている。