介護する妻を自宅で絞殺したとして、殺人の罪に問われた鹿児島県阿久根市大川、無職の男(78)の裁判員裁判判決公判が25日、鹿児島地裁であり、小泉満理子裁判長は懲役2年6月(求刑懲役6年)を言い渡した。
小泉裁判長は判決理由で、妻=当時(75)=への介護疲れがあったとしても、家族に相談するなど別の改善手段があったと指摘。「他の選択肢にかたくなに目を向けず、強い殺意で死に至らしめた意思決定に重い非難が向けられる」と述べ、実刑は避けられないと結論付けた。
一方、短期間で急激に衰える妻を目の当たりにし、被告が精神的に追い詰められた経緯や、家族が寛大な処分を望んでいることなどを踏まえ、酌量減軽した。
判決によると、被告は2024年8月27日午後9時半から10時35分ごろまでの間、自宅で妻の首を両手で絞め付け窒息死させた。