各踊り連が個性を発揮した千人パレード=27日、鹿児島市のウオーターフロントパーク前
「かごしま春祭大ハンヤ2025」は最終日の27日、前日に引き続き色とりどりの衣装をまとった踊り手たちが、息の合った演舞を披露した。主会場の鹿児島市のウオーターフロントパークなど5会場で、晴天の下威勢のいいかけ声と勇壮な踊りが観客を魅了した。
ウオーターフロントパーク前の歩行者天国では、初めてとなる「千人パレード」の総踊りがあった。この日のほとんどの演者が参加し、競い合うようにはつらつと踊りを披露した。
枕崎市のよさこいチーム枕崎舞炎鰹(ぶえんがつお)の長浜有祐実さん=鳳凰高校1年=は「各チームの個性があふれ出てぶつかり合う千人パレードならではの良さがあって、刺激になった」と充実した表情を見せた。
家族4人で会場を訪れた、鹿児島市の八幡小学校2年、福島楓梨さんは「衣装も踊りもかっこ良かった。いつか大ハンヤに出てみたい」と笑顔だった。
■札幌の兄弟チーム初出場
鹿児島市を拠点に活動する「桜閃(おうせん)〜南風〜」は、今回初出場。よさこい好きの鹿児島大学卒業生が北海道へ進学・就職したのを機に、札幌市の兄弟チーム「桜閃」と共に2023年に発足した社会人チームだ。
南風リーダーの上栗有希菜さん(24)によると、衣装の鮮やかなピンク色はミヤマキリシマ、黄色はハマツバキをイメージしている。右肩には西郷隆盛の愛犬ツンを模したぬいぐるみが飾られている。
この日はメンバー5人が天文館公園などで、夏の訪れを喜ぶ曲「祝鳴(しゅくめい)」に乗せて力強い演舞を披露した。上栗さんは「観客との距離が近くて楽しい。普段暮らす地元で踊れるのは新鮮だった」と汗をぬぐった。
■県内3小学校児童ノベルティー作製
今回初めて、県内3小学校の児童が応援の気持ちを込めて考えたノベルティーグッズが、全踊り手約千人に無料配布された。
考案したのは、協和(垂水市)、鹿屋(鹿屋市)、南方(鹿児島市)の3校の6年生ら計約140人。人材サービス大手のランスタッド(東京)がキャリア教育の一環で企画した。
グッズはタオルやうちわなど全5種類。あしらわれた「enjoy」「一番星」などの言葉は子どもたちが決めた。「fight」のタオルを受け取った人吉よさこい銀翔会の吉鶴樹大さん(28)は「地元の子どもたちから応援されている気持ちになりうれしかった」と話した。