〈資料写真〉輸出用養殖ブリの9割を米国向けが占める東町漁協。影響を懸念している=2024年12月、長島町の薄井漁港
トランプ米政権の関税強化を受け、47都道府県の4割に当たる18県が、中小企業など事業者の資金繰りを助けるため金融支援をしているか、支援を決めたことが29日、共同通信の調査で分かった。鹿児島県は、経営に影響を受ける中小企業対策として、既存の県中小企業融資制度を案内する。県中小企業支援課によると、28日時点でトランプ関税に関する相談や支援実績はない。ただ今後の影響は見通せないとして、県総合政策課は「庁内で情報共有を続ける」としている。
地域経済への影響については「懸念している」と回答し、主な産業に農林水産業、食品加工業、電子・電機産業を挙げた。2025年度から輸出上の重要品目に据えた養殖ブリや牛肉、茶などをはじめ、誘致に力を入れる半導体関連企業への影響にも気をもむ。
県は、輸出や企業支援などに関連する4部12課で庁内連絡会議を設け、4月16日に第1回会議を開いた。今後は週1回、関税措置の動向や県内事業者への影響について情報共有する。
日本政府には、価格転嫁の円滑化による取引適正化や、農林水産物の輸出先多角化など、影響が最小限となる対策を求めた。県総合政策課の担当者は「状況を注視しつつ、必要に応じて適切な対応をしていく」と述べた。