人手不足、地域交通、会社像…「議を言い合える企業に」 岩崎グループ新社長 貴光氏(39)に展望を聞く

2025/05/02 11:40
「鹿児島の利となる会社を目指す」と語る岩崎貴光氏=1日、鹿児島市の岩崎産業本社
「鹿児島の利となる会社を目指す」と語る岩崎貴光氏=1日、鹿児島市の岩崎産業本社
 鹿児島県内や国内外で幅広く事業を展開する岩崎グループ(鹿児島市)のうち、ホテル・観光事業の岩崎産業と、運輸・交通のいわさきコーポレーションの新たなトップに就いた岩崎貴光氏(39)に、今後の展望などを聞いた。

 -受け止めは。

 「鹿児島に貢献したい一心で曽祖父の與八郎は努めてきた。祖父の福三からは『お前がしっかりしないと多くの人が路頭に迷う』と会うたび発破(ハッパ)をかけられた。昔と規模は変わりつつあるが、地域に根付く企業であることに変わりはない。プレッシャーはあるが、恥のない結果を残したい」

 -観光は過渡期にある。

 「2大観光都市の指宿、霧島では、新たな形を模索しなければならない。ホテル事業は勤務体系が変則で人手確保が難しい。団体需要を取り込みたいが、供給できる体制が整わない。少ない量でどのように稼ぐか考えると、理想論だが、高単価のターゲット層に仕掛けていく必要がある。一方で、ロケット打ち上げがある種子島、世界自然遺産の屋久島のポテンシャルは高い。霧島、指宿のホテルの休館中は離島に注力する」

 -地域交通も担う。

 「路線バスの運転手不足や離島航路の船体更新など多くの課題を抱える。今後、交通インフラの維持ができないような状態になった時、国や自治体とどう手を取り合っていけるのか。中長期的な視点を心がける」

 -目指す会社像は。

 「一人一人が『岩崎の人間でうれしい』と、誇りを持ってもらうことが大事だ。評価方法や研修といった人的な部分の制度設計を強化していく。全国的な人手不足は当社も同じ。単純比較できないが、全盛期6000人いた社員は現在は2000人。効率性を上げるための工夫も考えたい」

 -今後、関連会社のトップにも就く予定だ。

 「父の芳太郎のようなカリスマ性を持った経営はできない。背中を見てきたからこそ、違う役回りが必要だと感じた。組織としての価値を上げるために社員全員の力に頼りたい。議を言い合える企業でありたい」

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