慰霊祭参列後の取材に応じる三宅トミさん=3日、南九州市知覧町郡
旧陸軍知覧飛行場(鹿児島県南九州市)で勤労奉仕した知覧高等女学校生徒「なでしこ隊」の一員だった三宅トミさん(95)=北九州市=は、3日の慰霊祭に元隊員としてただ一人参列した。高齢化で旧友は減少する中、式典後の取材に「戦時中のことを忘れないよう体力が続く限り参列したい」と語った。
なでしこ隊は1945年春に3年生になった生徒でつくり、知覧から出撃した特攻隊員の世話や見送りをした。当初は20人に満たなかったが、出撃者の増加に伴い、最終的には100人ほどになったとされる。
新型コロナ前までは10人程度が慰霊祭に参列していたが徐々に減り、今年はついに1人になった。4世代で訪れた三宅さんは「隊員の方々のことを考えるとどうしても参列したいと思った。亡くなった人が多く寂しいが、これからも戦時中のことを伝えていく」と話した。
戦争体験者の証言を記録する知覧特攻平和会館の八巻聡学芸員(48)は「体験者の語り継ぎたいという気持ちに応えられるよう教わったことを発信し続ける」と誓った。