コロナ禍後も順調に伸びる冷凍食品…製粉大手ニップンの前鶴社長が明かす 地方にグループ最大の新工場を造る理由

2025/05/08 11:30
「非常に大事な工場になる」と語るニップンの前鶴俊哉社長=7日、出水市平和町
「非常に大事な工場になる」と語るニップンの前鶴俊哉社長=7日、出水市平和町
 製粉大手のニップン(東京)は4月、鹿児島県出水市の畑中食品を連結子会社化した。日置市伊集院出身の前鶴俊哉社長(64)に、新工場建設への意気込みや展望を聞いた。

 -出水に新工場を造る。

 「冷凍食品が順調に伸び、新しい工場を検討した。全国に拠点はあるが、どちらかというと東日本に多く、西日本にも造りたかった。20年近く製造を委託し、弊社の成長に貢献してきた畑中食品と一緒にやりたいという思いもあった。鹿児島に拠点を設けることができて非常にうれしい」

 -ニップングループとして最大規模の工場になる。

 「新しい工場で生産能力はかなり増える。畑中食品が日本の食を支えるという意味でも非常に大事な工場で成長への期待は大きい。雇用を含め、出水市にとってもかけがえのない工場として活躍することを願う」

 -新型コロナウイルスで冷凍食品の需要が伸びた。

 「冷凍食品はおいしいと見直され、コロナがある程度落ち着いてからも順調に拡大している。特に新工場で生産を予定するおかずと主食がセットになったワンプレートは順調だ。(共働き世帯が増えるなどで料理に)手間がかけられない中、保存が利きヘルシーな食材も使える冷凍食品はまだまだ伸びる」

 -国内は人口減が続く。

 「商売は厳しくなると思う。今は(原材料費や人件費など)コストが非常に上がってきているが、国内市場では伸びる部分に投資をして基盤を固めていきたい。海外展開も必要だ。現在はアメリカに工場を造っており、ベトナムでも計画している。海外と国内の両方をしっかりやっていくビジョンを掲げていく」

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