初めて進出したB2プレーオフ。ホームの観客が選手を後押しした=西原商会アリーナ
「ゴー! ゴー! レブナイズ」-。鹿児島レブナイズのホーム戦で、ブースター(後押しする人)と呼ばれるファンたちは、チームカラー黒の服を着て大声援を送る。
大型ビジョンや照明を使った派手な演出はないが、声量の大きさはリーグ屈指。手拍子や歓声で味方を鼓舞し、相手のフリースローでは割れんばかりの声で妨害する。ファンと選手が一体となった雰囲気に会場が包まれる。
その光景を専属チアダンスチーム「レイベス」リーダーのYUINAさんは、感慨深そうに見つめていた。前身のレノヴァ鹿児島時代から長くチームを見守ってきた一人だ。
来場者が千人にも満たず、苦しい時期もあった。「満員になるなんて想像できなかった。当たり前の景色じゃない」
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2023年のW杯で日本代表が活躍したのを追い風にBリーグ全体の人気は急上昇した。昨季、B3から昇格したレブナイズは今季もB2で躍進。集客の工夫もかみ合い固定客をつかんだ。
昨季から応援を続ける南さつま市加世田の大湊竜希さん(19)は初観戦で応援の一体感に魅了された。「年齢に関係なくみんなで声を出して応援するのは気持ちがいい。試合を楽しみに仕事を頑張れる」と話す。
B2で初進出のプレーオフには連日約3000人が詰めかけた。開始前から入場待ちの列ができ、グッズ販売や飲食スペースも大盛況。家族連れも多く、休日の娯楽の一つとして定着した。
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レギュラーシーズンの入場者数は30試合で計77469人、1試合平均2583人。会場の大きさに限界があるため、B3だった昨季から平均入場者数の増加は130人ほど。だが、入場料収入は大きく伸びた。
今季は、企業版ふるさと納税を活用した無料招待を一般千円の優待にするなど一部変更。多様な券種で有料観戦が増加し、入場料収入はレギュラーシーズンで1億円超と昨季の倍近くになった。
B2昇格で、昨季までB1だった信州や西地区でしのぎを削った静岡、隣県の熊本など敵地からも多くのファンが訪れた。有川久志社長は「B2のブランド力、効果を実感した」と振り返った。