偵察機「彩雲」が撃墜される映像公開 特攻機の戦果確認任務で米軍機の待ち伏せに

2025/05/12 11:48
奄美大島南方海域で米軍戦闘機の迎撃に遭い撃墜される日本海軍偵察機「彩雲」=1945年4月30日(豊の国宇佐市塾提供)
奄美大島南方海域で米軍戦闘機の迎撃に遭い撃墜される日本海軍偵察機「彩雲」=1945年4月30日(豊の国宇佐市塾提供)
 太平洋戦争中の米軍撮影映像を解析している大分県宇佐市の市民団体「豊の国宇佐市塾」(平田崇英塾頭)は10日、戦後80年の今年2回目となる映像公開を同市の教覚寺で行った。1945(昭和20)年4月30日、鹿児島県鹿屋市の鹿屋海軍航空基地から飛び立った日本海軍の偵察機「彩雲」が奄美大島南方海域で米軍戦闘機の迎撃に遭い、撃墜される姿もあった。

 同年3月末に始まった沖縄戦において、海軍は偵察専門の彩雲部隊を鹿屋航空基地に常駐させ、米軍の偵察や特攻の戦果確認に当たらせた。

 高度1万メートル近い高空を高速飛行できる彩雲を捕捉するのは、米戦闘機にとっても至難の業だった。だが沖縄戦開始から1カ月を経過して、米軍のレーダー網は整備され、日本軍機の待ち伏せは容易になっていた。

 同塾の織田祐輔さん(38)は「米軍側の戦闘リポートにも『管制官の誘導が素晴らしかった』と報告がある。日本軍機が沖縄に迫ることが困難になっていたことがうかがえる」と話した。

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