PR動画の撮影風景=2024年8月、さつま町虎居の薩摩中央高校
「こげんよかとこはなかど~」。鹿児島県さつま町などが地元の薩摩中央高校創立20年を記念して作った町内の魅力を発信する動画が、「全国広報コンクール」の映像部門で最高賞となる総務大臣賞を受けた。名所や特産品を織り交ぜた鹿児島弁の歌詞に加え、同校生徒ら総勢450人の町民が軽快なダンスを披露して来町を呼びかける。
PR動画のタイトルは「ウェルカムピーポーさつま町」で5分12秒。町や町商工会、同校でつくる「薩摩中央高校振興対策協議会」が、町内を盛り上げようと昨年度制作した。
楽曲は卒業生らでつくる地元バンド「姫と家来。」が手がけ、特に若い世代に興味を持ってもらえるようポップス調に仕上げた。地元小中学生がお気に入りに挙げたスポットなどを歌詞に盛り込み、「なんもなかとか言わんで、まっちょっでね」と訴える。
幅広い世代に親しんでもらいたいと、ダンス、健康体操、手話、カラオケ編も準備。撮影場所は鶴田ダムや温泉施設など約20カ所に上り、同バンドや高校生を中心に、幼児から100歳以上まで出演する。コンクールでは「地元愛と参加型の楽しさが存分に伝わり、見る者を自然と笑顔にする」と評価された。
作詞を担当した「姫と家来。」ボーカルのエリンさんは「制作が進むにつれ、現役の後輩たちとも距離が縮まり楽しかった。動画を『見たよ』と声をかけてくださる人も増え、輪の広がりがうれしい」と受賞を喜んだ。
動画は町公式ユーチューブで公開する。企画を担当した町役場の久徳竜也さん(49)は「今年は町制20年の節目にも当たり励みになった。高齢者サロンで取り入れているところもあり、健康増進などさまざまな場面で活用してもらえたら」と話した。