アーケード整備が予定されているセンテラス天文館前電車通り=12日、鹿児島市
建設コスト高騰や資金不足のため、計画が大幅に遅れていたセンテラス天文館(鹿児島市千日町)前の電車通りをまたぐアーケードの建設が、着工に向けて調整が進んでいることが13日分かった。2025年度に国の補助金が確保できたためで、当初は25年1月完成予定だったが、年度内の早期整備を目指す。
市や整備主体の実行委員会などによると、約2億6000万円を見込んでいた総工費は資材高騰などで増加。4億円台になるとみられる。うち最大50%で国補助を見込んでいたものの、24年度は想定通りに補助を受けられなかった。25年度に1億620万円の内示があり、これまでの内示額と合わせて2億4000万円が確保できたという。
残りは、企業や個人からの寄付など自己資金と市の補助金が充てられる見込みだが、建設コスト上昇の影響など不確定な部分もある。
市は24年度、補助金として約8700万円を予算計上し、整備計画の遅れから減額補正した。実行委の有馬勝正委員長は「国の補助が得られることとなった。早期の着工、完成を目指したい」と話した。
アーケード建設を巡っては、天文館商店街振興組合連合会が、回遊性を高めようと天文館地区2カ所で構想を進めていた。18年に実行委が設立。21年には金生町の鹿児島銀行本店と山形屋の間に完成させた。
センテラス前については、23年にデザイン案を公募。同年7月、天文観測所「明時館」にちなみ宇宙をイメージした案に決定している。