じゃらんリサーチセンター(東京)が2024年実施した観光国内宿泊旅行調査で、鹿児島県は初めて総合満足度全国1位となった。13日は同センター主席研究員の森戸香奈子さん(49)の講演が鹿児島市であり、「周遊性に課題はあるが、鹿児島は魅力的な観光資源が豊富。まだまだ伸びる可能性は高い」と話した。
全国1万5000人を対象にした調査で、鹿児島県は食や宿、体験など9テーマのうち六つで上位に入った。森戸さんは「新型コロナウイルスの5類移行により、高まった遠距離かつ高付加価値な旅行需要に応えられたのでは」と分析した。
一方で、「推奨度」と「リピーター率」は低いとも指摘。食、温泉、宿、離島といった分野やエリアごとで完結せず、県内周遊につなげることが重要として「鹿児島だからこそできる旅や体験をもっとPRして、複数回足を運ぶ価値を伝えて」とアドバイスした。
講演は、県と県タクシー協会、県観光連盟が開く観光セミナーであり、247人が参加した。森戸さんを含めたトークセッションもあり「特産品の生産や歴史など背景に興味を持つ人もいる」「方言や風景も観光資源になる」といった意見も出た。