桜島、山体が一時縮むも再び膨張…マグマの蓄積大量か 2キロ以遠へ大きな岩飛ぶ恐れも 専門家が注意呼びかけ

2025/05/17 06:30
活発に噴煙を上げる桜島=16日午後1時26分、鹿児島市黒神町
活発に噴煙を上げる桜島=16日午後1時26分、鹿児島市黒神町
 桜島の南岳山頂火口では16日も中量以上の噴煙が確認され続ける連続噴火があった。午後10時までに単発の噴火が10回、爆発は9回で、山体の膨張が確認された12日からの累計では、連続噴火2回、単発13回、爆発11回となった。鹿児島地方気象台によると山体の膨張は一時収縮したが、15日午後3時半以降に再び膨張し伸縮を繰り返している。今後も噴火が続くとみられ気象台は多量の降灰や噴石に注意を呼びかけている。

 連続噴火は、15日午前10時45分〜16日午前4時、16日午後0時41分〜午後4時にあった。12日〜16日で、大きな噴石は最大で6号目(火口から約1200メートル)まで飛んだ。噴煙の高さは最大3000メートルに及んだ。17日は南西の風が吹き、午前0時から正午までは霧島市福山方向、正午から午後3時までは鹿屋市輝北方向での降灰が予想される。

 気象台の林幹太火山防災官によると、山体の伸縮は、火山灰として外に噴出する分と、マグマだまりから新たに供給されるマグマ量のバランスが影響。通常は膨らんでから数時間で解消することもあるが、今回は膨張時間が長く、マグマの蓄積量が多いという。膨張を一度に解消するような噴火が発生すると、多量の降灰となる可能性がある。

 京都大学防災研究所付属火山防災研究センターの中道治久同センター長は、地面の伸縮量に着目。今回の状況が、火口から2キロを越えて大きな岩が飛散した2020年6月の噴火前に匹敵するとし、「今回も起こりうる」と説明。「火口付近にはむやみに近づかないで」と話した。

 降灰の影響で15日に25便が欠航した霧島市の鹿児島空港では16日、視界不良や欠航に伴い始発便が手配ができなかったため、8便が欠航した。

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