仮設宿舎4200室完工、進む馬毛島基地整備――島固有種・マゲシカの生息数に変化は? 防衛省が推定結果を発表

2025/05/17 11:42
(資料写真)2022年8月16日、草地を移動するマゲシカの群れ=西之表市馬毛島
(資料写真)2022年8月16日、草地を移動するマゲシカの群れ=西之表市馬毛島
 鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備を巡り、防衛省は16日、島固有のニホンジカ亜種マゲシカの個体数が現時点で700~1000頭程度とする推定結果を発表した。防衛省は「生息数はこれまでと同程度で推移しているとみられる」と説明した。

 防衛省によると、島内の開けた場所での目視と見通しの悪い樹林内に置いたセンサーカメラの二つの調査から推定した。目視は昨年4、6、10、今年1月にそれぞれ2日ずつ8人で1日7時間調べた。最も多かったのは4月19日の1009頭、最も少なかったのは10月20日の284頭だった。

 6、10月は4、1月の半数程度と極端に少なく「暑さで草地の日陰に潜み、目視調査で見つけにくかった」として推定から除いた。

 カメラは昨年4~5月、6~7月、10~11月、12月~今年1月にそれぞれ1カ月間、見通しの悪い樹林内に13台設置。70~188頭が確認された。

 2023年1月に公告した環境影響評価書では、同じ手法で調査し、700~1000頭、24年4月に発表した調査では1000~1200頭と推定していた。

 推定は目視の低い値にカメラの高い値を加えた数を下限、目視の高い値にカメラの低い値を加えた数を上限の頭数とする手法を採用した。開けた場所にシカが多い場合は樹林内に少なく、開けた場所に少ない場合は樹林内に多いと考えた。

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