両親と古里に感謝込め 生家跡地に水車が回る公園造った 建設コンサル会長、私財を投じ住民の要望かなえる 吹上・坊野地区

2025/05/18 17:02
くす玉を割って祝った「坊野水車公園」の落成式=日置市吹上
くす玉を割って祝った「坊野水車公園」の落成式=日置市吹上
 鹿児島県日置市吹上の坊野地区出身で鹿児島市の総合建設コンサルタント「大福コンサルタント」会長の福田光一さん(78)が私財を投じ、生家があった精米店跡に水車が回る公園を造った。お披露目式には住民ら約120人が集まり、憩いの場の完成を喜んだ。

 福田さんの両親は1942(昭和17)年に精米所を構えた。直径約5メートルの水車があり、近くの川の水を使って精米機を動かしていた。朝から晩まで働きづめの姿を見て育ち、親孝行をしなければとの思いを募らせたという。

 古里の高齢化が進む中、活性化に向けて数年前から生家跡の活用策を考えていたところ、住民から公園整備の要望があった。地元業者に工事を依頼して約千平方メートルを舗装。川から水を引き込んで池を設け、直径1.5メートルの水車を復活させた。要した費用は約2000万円。坊野水車公園と名付け、桜を植えたほか、約1万粒のヒマワリの種をまいており、菜の花も育てる予定にしている。

 式典は10日あり、福田さんは「会社を興し、ここまで来られたのは坊野の環境が自分という人間を形成してくれたから。今後、ヒマワリや菜の花でいっぱいにしたい」と語った。坊野地区公民館の本良久館長は「1年を通して癒やしの郷(さと)として活用し、地域総参加でイベントを開き、よりどころにしていきたい」と感謝した。

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