〈資料写真〉2024年4月29日、4年近く不通が続き雑草が覆い尽くす肥薩線の線路(手前)。すぐ先には吉松駅を出発したばかりの吉都線の列車が走っていた=湧水町
2020年7月の豪雨で被災し、復旧見通しが立っていないJR肥薩線の「山線」と呼ばれる人吉(熊本県)-吉松(鹿児島県湧水町)間について、塩田康一知事は16日、鹿児島、宮崎、熊本県の担当課長で意見交換したことを明らかにした。3知事は「鉄路復旧」の考えで一致する。「復旧を目指し、今後も定期的に開催する方針を確認した」と話した。
八代(熊本県)-人吉間の通称「川線」は、県とJR九州、国でつくる検討会議での協議を経て4月1日、木村敬知事と古宮洋二社長が33年度ごろの再開を目指すことで最終合意書を取り交わした。木村知事は鹿児島と宮崎両県知事に、まずは事務レベルでの協議開始を呼びかけていた。
鹿児島県交通政策課によると、意見交換は鹿児島市で4月10日にあった。人事異動もあり課長同士の顔合わせも兼ねたという。次回日程や協議内容は未定。JR九州は、山線についても検討会議で協議する方針を示している。
塩田知事は16日の定例会見で、被害が軽微な山線の先行再開について「利用面から山線と川線は一体的に活用することが望ましい」と述べた。