工事中断から半年…どうなる?西之表自衛隊宿舎――自民・森山幹事長「現建設地は無理」 着工後に地中から大量の廃棄物

2025/05/19 06:27
記者団の質問に答える自民党の森山裕幹事長=18日、西之表市民会館
記者団の質問に答える自民党の森山裕幹事長=18日、西之表市民会館
 鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地整備に伴い、同市の下西校区に新設予定の自衛隊員宿舎が、地中から大量の廃棄物が出たため、半年以上にわたって工事中断となっている問題について、自民党の森山裕幹事長は18日、「今の建設予定地に造るのは無理がある」との認識を示した。

 西之表市であった式典に出席後、記者団の質問に答えた。森山幹事長は「隊員宿舎の環境は非常に大事だ。防衛省に対応策を急いでもらいたい」と述べた。

 森山幹事長の発言について、同市の八板俊輔市長は「あくまでも『現状では』ということだろう」とした上で、「今後の方針は防衛省と調整しており、決まったものはない」と話した。

 隊員宿舎は、防衛省が10階建て1棟、97戸分の建設を計画。2022年11月に市有地7029平方メートルを購入、24年3月に工事契約がなされた。ところが、着工後に古タイヤや空き瓶などが出土し、24年11月から工事を中断している。

 現場は1960年代にごみ処理場だったとされる場所。同省は「候補地を市に求め市側から適地として提示され購入した」との立場で、市は「複数の候補地から防衛省が選定したと認識している。市が選定した事実はない」「旧塵芥(じんかい)処理場と説明した」と主張する。

 種子島では中種子、南種子の両町でも自衛隊宿舎の整備が進んでいる。中種子町野間の5階建て3棟93戸分は6月末に完成し、7月には航空自衛隊馬毛島先遣隊の隊員が入居を開始する予定。

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