鹿児島県教育委員会が市内の学校に配布した生成AI活用事例集。この表紙も生成AIで作成している
授業準備や学校運営の効率化に生成AIを活用してもらおうと、鹿児島市教育委員会が事例集を作成した。5月上旬に市内全公立小中高校120校にデータで配布した。
市内の小中学校教諭14人が学校現場で実践した26事例を、文部科学省のガイドラインに基づいて掲載。AIを使って熱中症予防の啓発動画を探したり、学級だよりに使うイラストを作成したりすることで、時間や手間を省くことができると紹介している。各学級が重ならずに音楽室を使える時間割設定、アンケート結果の集約も可能だという。
メリットだけでなく、AIが事実と異なる回答をする「ハルシネーション(幻覚)」、情報流出などのリスクも挙げる。児童生徒の個人情報を入力しないことや、県の教員に割り振られた「県域アカウント」でログインするなど、利用時の注意点を改めて提示している。
市教委の木田博教育DX担当部長は「単純作業の効率化に生かし、子どもと向き合う時間を増やしてほしい」と呼びかけている。