全拉致被害者の即時一括帰国を求める家族ら=24日、東京都内
北朝鮮に拉致された全被害者の即時一括帰国を求める「国民大集会」が24日、東京都内であった。家族会代表で横田めぐみさん=失踪当時(13)=の弟拓也さん(56)は日朝首脳会談の実現を求め、「再会がかなうまで諦めない。声を武器にして正義のために闘い続ける」と力を込めた。
政府が認定する被害者の親で存命なのは横田さんの母早紀江さん(89)だけとなり、きょうだいも高齢化している。早紀江さんは「生きている間に解決するのか。『めぐみちゃん、よく帰ってきたね』と言えるまで頑張る」と述べた。
石破茂首相も出席し、「2月の日米首脳会談で即時解決に向けた全面的な支持をいただけたのは一つの成果」と強調。拉致問題は「国家主権の侵害」と繰り返し、「時間的な制約がある中で国際社会に一層協力と理解を求める」とした。
1978年に鹿児島県日置市の吹上浜で連れ去られた市川修一さん=同(23)=の兄健一さん(80)は取材に、「とにかく時間がない。進展がなく、やるせなさと憤りでいっぱいだ」と話した。
集会は家族会や支援団体「救う会」などが開き、約800人(主催者発表)が参加した。