包括連携協定を結んだ鹿児島パールライスの折小野公英専務(右)ら=22日、鹿児島市の同社
コメ価格の高騰が続く中、鹿児島県育成新品種「あきの舞」を味わってもらおうと、米穀卸販売の鹿児島パールライス(鹿児島市錦江町)は、鹿児島市内の子ども食堂へ無償提供を始める。初年度は3トンを見込み、22日に市社会福祉協議会と包括連携協定を結んだ。
あきの舞は高温に強く収量も多いのが特長。一般栽培は2025年からで、販売開始は11月。提供は来年4月以降で、5キロの無洗米を一袋販売するごとに重量の1%(50グラム)分をためていく。今後、商品名や袋のデザインを子ども食堂の利用者から公募する。
同社の折小野公英専務(62)は「子どもたちの成長支援が目的だが、これを機に広く県民に知れ渡り生産拡大にもつながれば」と期待。同協議会の上之園彰会長(66)は「コメ不足で苦労する子ども食堂にとって、タイムリーですてきな取り組み」と感謝した。
式は同社であり、地域福祉活動の推進や食育など6項目で協定を結んだ。NPO法人「かごしまこども食堂支援センターたくして」(同市)によると、市内の子ども食堂は22日時点で61カ所。各食堂との連絡調整や配分などは同センターが担う。