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鹿児島県は27日、県内4児童相談所と市町村による2024年度の児童虐待の認定件数が、過去最多の3070件(前年度比41件増)だったと明らかにした。13年連続で増えており、心理的虐待や身体的虐待が目立つ。通告・相談件数も最多の4809件(305件増)に上った。
同日、鹿児島市であった県の子ども虐待防止ネットワーク会議で報告された。4児相(中央、北部、大隅、大島)による認定が、全体の8割に当たる2496件を占めた。
そのうち種別では、心理的虐待が1790件(101件減)で最多。続いて身体的虐待480件(12件増)、ネグレクト(育児放棄)219件(47件減)、性的虐待7件(23件減)だった。中央児相によると、面前DV(ドメスティックバイオレンス)の通告が多かった。
主な虐待者は、実父1176件と実母1028件で計88%。被害を受けたのは小学生897件、未就学児851件、障害児は431件だった。相談の経路別は、警察からが1825件、学校198件、家族親戚156件と続いた。
中央児相の安樂啓相談部長(54)によると、24年度は市町村の認定が574件(200件増)と目立った。児相対応ダイヤル「189」(いちはやく)の利用や子ども本人からの通告が増えているとし、「何かあったら児相に相談するという社会的な意識は高まっている」と話した。