故郷で父のミットに誓った世界王者――二人三脚で磨いた高校5冠の拳は〝第2章〟へ きょう28日、荒竹一真(大橋)プロデビュー

2025/05/28 11:47
父・俊也さん(左)とミット打ちで汗を流す荒竹一真=7日、鹿屋市のWild.b
父・俊也さん(左)とミット打ちで汗を流す荒竹一真=7日、鹿屋市のWild.b
 ボクシングで2022年アジア選手権準優勝の実績を持つ鹿児島県鹿屋市出身の荒竹一真(大橋)が28日、横浜市でプロデビュー戦(49キロ契約)を迎える。世界を目指すホープは父と二人三脚で磨いてきた拳で第一歩を踏み出す。

 競技を始めたきっかけは2020年開催予定だった鹿児島国体。国体出場を親子で目指すため元プロボクサーの父・俊也さんが声をかけた。

 「ジムは小さいころから遊び場で、遊びながら覚えていった」と俊也さん。荒竹が生まれた年に父が開業したジム「Wild.b」で小学5年生から本格的に始めた。田崎中時代に駅伝で全国大会に出るなど運動神経抜群の少年はめきめきと上達した。

 鹿屋工高時代は全国大会5冠を達成。鹿屋を拠点に東京、パリの五輪2大会に出場したアマチュアの岡澤セオンとも一緒に汗を流した。荒竹は「今も大橋ジムで顔を合わせる。日本一、世界へと目を向けるきっかけになった」と振り返る。

 駒澤大時代は全日本選手権や2023年に延期された鹿児島国体で優勝。日本代表として国際大会でも活躍し、実績が認められてB級・6回戦でのデビューが決まった。

 初戦を前にした5月の大型連休に帰省し、父と親子水入らずで慣れ親しんだリングで調整した。「原点の場所で気合が入った。鹿児島を背負いプロとして戦う覚悟ができた」

 デビュー戦の相手はキャリア20戦以上のタイ人。セコンドには俊也さんも立つ。無尽蔵のスタミナと正確な左ストレートが武器のサウスポーは、かつて父も戦ったプロの世界で世界王者を目指す。

鹿児島のニュース(最新15件) >

日間ランキング >