〝憧れ〟井上尚弥の眼前、圧巻2回TKO勝ち――ボディーからの強烈右フック、荒竹一真(大橋)がプロデビュー戦飾る

2025/05/29 11:47
デビュー戦で勝利を飾った荒竹一真=横浜BUNTAI
デビュー戦で勝利を飾った荒竹一真=横浜BUNTAI
 ボクシングの49キロ契約6回戦、荒竹一真(大橋)=鹿児島県鹿屋市出身=のプロデビュー戦が28日、横浜市の横浜BUNTAIであり、キティデッチ・ヒルンスク(タイ)に2回2分13秒でTKO勝ちした。

 第1ラウンドはプロのリングを確認するように慎重に入った。第2ラウンドにボディーでダメージを与え、得意の右フックでダウンを奪った。

 荒竹はアマチュアで鹿屋工高時代に高校5冠を達成し、駒澤大時代の2022年にアジア選手権で準優勝。全日本選手権や鹿児島国体で優勝した実績を持つ。今年4月にプロテストでB級に合格した。



 鮮烈なプロデビューだった。2ラウンド2分13秒、左ボディーで相手の目線を下げると、顔面に強力な右フック。相手はたまらずダウンし、レフェリーは10カウントを待たずに試合を止めた。

 「狙ったわけではないが、練習してきたパンチが出た」。リング外では初々しさも残る22歳だが、アマ時代に世界を相手にしてきた男は冷静沈着に貫禄さえ漂わせた。

 ジャブでコントロールしながらボディーでダメージを与え、仕上げはカウンターの右で一発。プロ20戦以上の相手を手玉に取った。

 世界スーパーバンタム級主要4団体統一王者の井上尚弥に憧れ大橋ジムに入門。もらったシューズを履いてデビュー戦に臨んだ。「尚弥さんを感じながら戦えた。KOのコンビネーションも似ていてきれいに入った」と笑顔を見せた。

 「プロでもすごいと思わせる試合を」と公言した通りの試合。想定外はKO勝利が早すぎたことだろう。武器のスタミナ、得意の左ストレートのお披露目はお預けとなった。プロボクサー・荒竹一真の「本気」を見せるのはこれからだ。

鹿児島のニュース(最新15件) >

日間ランキング >